ウサギのバイク

「ウサギのバイク」は1991年11月発売の2ndアルバム「名前をつけてやる」に収録されました。

作詞・作曲:草野正宗、編曲:スピッツ

軽やかなアルペジオスキャットで始まる可愛らしい印象の曲です。

この曲の歌詞は、全般的に「ウサギ」と絡ませて書かれています。

書かれた言葉はストーリーや意味を持ちません。

もちろんテーマはあるのですが、言葉は言葉遊びのように使われていますので、それを踏まえて読んで行きたいと思います。

ウサギのバイクで逃げだそう

枯れ葉を舞い上げて

優しいあの子も連れて行こう

氷の丘を越えて

 「逃げ出そう」:”脱兎の勢い”という言葉があるように、ウサギは逃げ足がとても速いこと

「枯れ葉」「氷の丘」:ウサギは冬の季語

という理由で書かれていて内容はなく、この部分は、ウサギと関連付けて楽しむところです。

「優しいあの娘」という表現から、この曲は自分も「ウサギ」であるとしていることがわかります。ここは少し意味がありますね。臆病でいつも周りを警戒しているウサギのような自分ですから、優しくしてくれるあの子はもしかしたら自分に気持ちがあるのかもしれない、と期待する若い男性の気弱で臆病な心情を上手く表していると思います。

※この「ウサギ」な自分は後にも出てきます。

脈拍のおかしなリズム

喜びにあふれながら ほら

駆け抜けて 今にも壊れそうな

ウサギのバイク

 「脈拍のおかしなリズム」胸を弾ませている状態です。ウサギが飛び跳ねる様子ともかけているのかもしれません。胸がドキドキする理由は「優しいあの娘」でしょうね。

「喜びにあふれる」がドキドキの理由なのですが、ここもウサギと関連があります。というのは、一年を通じて発情するのは人間とウサギだけなので、ウサギは性のシンボルとされます。雑誌プレイボーイのキャラクター、バニーガールがそれですね。ですから、ここで言われる「喜び」は性的なものであることがわかります。

「駆け抜ける」は「優しいあの娘」へ急いている自分の気持ちを表しているようですし、また、ウサギが非常に早く走ることにもかけているのでしょう。

「今にも壊れそうな」「ウサギのバイク」ウサギはストレスに非常に弱い生き物です、ウサギのような自分はもう期待に「今にも壊れそう」なんですね。

それから、「ラビット」という、スクーターがあります。1968年まで製造されていた可愛らしい車体のもので、この曲が作られた91年から見たらとても古いものです。その古さを「今にも壊れそう」とかけているのでしょう。

脈拍のおかしなリズム

喜びにあふれながら ほら

駆け抜けて 今にも壊れそうな

ウサギのバイク

ラビットスクーターをぜひ画像検索してみてください。

このアンティークなスタイルのスクーターにちょっと性的なことを期待する可愛い女の子を乗せて胸をドキドキさせながら走るウサギのような青年を想像すると、この曲の可愛らしくまるで跳ねるような曲調にもピッタリだと思いませんか?

 

可愛らしくて、言葉遊びが面白く、性的なドキドキも感じさせる、とても魅力的な一曲です。