魔法

「魔法」は1992年4月に発売されたミニアルバム「オーロラになれなかった人のために」に収録されました。

作詞・作曲:草野正宗、編曲:長谷川智樹 with スピッツ

 

この曲はアルバムの「序曲」として最後に制作されました。

クラシックの、特に歌劇やバレエ組曲など劇音楽では「序曲」によって観客はこれからどんな物語が展開されるのかを知らされます。

このアルバムは、オーケストレーションをしましたので、序曲は同じ意味合いを持つのでしょう。

ですから、この「魔法」はアルバムが全体的にどのようなコンセプトを持ち、収録曲がどんな物語であるかを予告するものになっています。

開演前に客席でざわめく観客の注意をはっと引き付けるような、始まりにふさわしいアレンジになっているのも、まるで本物の劇音楽のようで面白いですね。

消えてしまいそうなおいぼれの星も

最後の祈りに耳をすませてる

サビついた自由と偽物の明日

あの河越えれば君と二人きり

夜空の星は地上の人々の祈りをいつも聞いています。

もう今にも消滅しそうな年老いた星は、大変に長い間、数多くの人々の祈りを聞いてきました。

今、星に祈るのは、「サビついた自由」と「偽物の明日」について。

そして、もし「あの河」銀河を越えることが出来たら「君と二人きり」になれてそこから解放される。

もう離さない 君がすべて

風は冷たいけど

続いて、「君がすべて」「もう離さない」と歌います。

なぜ「君がすべて」なのでしょうか。

胸の谷間からあふれ出た歌は

果てしない闇を切り開く魔法

「胸の谷間」は男性の持たない女性特有のものであり、心のある場所。

そこに影響を受けて自分の中から「あふれ出た歌」は「果てしない闇を切り開く魔法」だと言っています。

「果てしない闇」は「サビついた自由」「偽物の明日」から生まれるものでしょうか。

もう離さない いつまでも

風は冷たいけど

実際にはこの地球に生きていて銀河を越えることは出来ないし、「風」世間の風は冷たいが、君(ここでは上記から特定の女性です)の存在さえあれば人生を切り開いていける。

だから、「君がすべて」で「いつまでも」「離さない」。

 

アルバムの大筋はつかめましたでしょうか。

  • 「サビついた自由」
  • 「偽物の明日」
  • 「君の存在により溢れるように生み出される力」

について。

 

それから、アルバムタイトル「オーロラになれななかった人のために」

”夜空を覆うように輝き、誰もが一目見たいと憧れるような存在にはなれなかった人”

にも注目しましょう。

 

この「序曲」の後、「本編」が始まります。

序曲の内容を踏まえながら、一曲ずつ読んで行きたいと思います。