僕の天使マリ

「僕の天使マリ」は1992年9月に発売された3rdアルバム「惑星のかけら」に収録されました。

作詞・作曲:草野正宗、編曲:スピッツ

今だって君のことだけしか映らないんだマリ

まだまだ知りたいことがたくさんあるんだよマリ

僕の心のブドウ酒を 毒になる前に吸い出しておくれよ

マリ マリ マリ 僕のマリ もうどこへも行かないで

タイトルに「僕の天使」とあるように、この曲は聖書に由来する事柄が出てきます。

(今回は、聖書由来の言葉を青字にしてみました)

聖書において「ブドウ酒」は、最後の晩餐に登場することから、キリストの血であるとされます。そこから転じて、喜びや愛を表現するのだそうです。

マリに「僕の心のブドウ酒を毒になる前に吸い出して」と頼むのは、つまり、マリに会えた喜び、そこで生まれた愛情が、今後変化して自分の心を毒するものにならないようにしてほしい、ということでしょう。

毒するものとは、嫉妬であったり、憎しみであったり、悲しみであったりでしょうか。

そのような感情に変化しないように、愛情のままでいさせてほしいと願っているのだと思います。

朝の人込みの中で泣きながらキスしたマリ

夜には背中に生えた羽を見せてくれたマリ

きっとこんな世界じゃ 探し物なんて見つからない

だけどマリ マリ マリ 僕のマリ もうどこへも行かないで

夜から朝にかけて一緒にいて、別れる際に寂しくて泣いてしまうマリにキスをする。

マリに対する愛おしい気持ちが伝わってきますね。

夜のマリは羽が生えたように美しく、誰にも見せない秘密を自分に見せてくれます。

ここでは、いかにマリが特別な存在であるかが表されているようです。

最初の部分にマリに夢中な様子が歌われていましたが、この二行にその具体的な描写ががされています。

そんなマリは「天使」なので、僕にとって自分を守護してくれる存在です。

天使は、人間が悪の道に進みそうになった時に、良い方向に向く手助けをして守護してくれるとされています。

「きっとこんな世界じゃ 探し物なんて見つからない」

自分はどんなに頑張っても、自分自身を、自分の進むべき道を、自分の信念を、この複雑な世界では探し出すことが、守り通すことができないかもしれない。

たとえ自分が「良い方向」を向けなくても、僕を守護し続けて欲しい、と僕は願っているようです。

今だって君のことだけしか 映らないんだマリ

まだまだ知りたいことがたくさんあるんだよマリ

僕の心のブドウ酒を 毒になる前に吸い出しておくれよ

マリ マリ マリ 僕のマリ もうどこへも行かないと約束して

僕を見つめていて

「僕を見つめていて」という言葉から、自分を守護し続けて欲しいという気持ちがさらにはっきりと歌われていますね。

マリは自分にとっての守護天使である、ということが最後に明確に表されているように思います。

 

この曲は、「マリのことが特別でこれからもずっと一緒にいて欲しい恋する気持ち」が歌われています。

加えて、その中に、「自分が社会の中で迷い、生きにくいと感じていること」が挿入され、「そこで戦っていくために支えになる存在が必要なのだ」ということがさりげなく、しかし力強く表されているように思いました。