シュラフ

シュラフ」は1992年9月に発売された3rdアルバム「惑星のかけら」に収録されました。

作詞・作曲:草野正宗、編曲:スピッツ with 長谷川智樹

疲れ果てた 何もかも滅びて

ダークブルーの世界からこぼれた

不思議のシュラフで運ばれて

不思議のシュラフで運ばれて

みんな嘘さ 奴らには見えない

たったひとつの思い出を抱きしめて

不思議のシュラフで運ばれて

不思議のシュラフで運ばれて

疲れ果てた 何もかも滅びて

ダークブルーの世界からこぼれた

不思議のシュラフで運ばれて

不思議のシュラフで運ばれて

不思議のシュラフで運ばれて

不思議のシュラフで運ばれて

 「シュラフ」の歌詞は、二つのグループに分かれますので、色分けしてみました。

 

青の部分は、”この世の生きにくさ”を歌っているようです。

■青の部分

 疲れ果てた 何もかも滅びて ダークブルーの世界からこぼれた

 みんな嘘さ 奴らには見えない たったひとつの思い出を抱きしめて

僕の中に存在していたもの全てが絶えてなくなり、この世の中からこぼれ落ちてしまった。そんなことで僕はすっかり疲れ果てた。

他の人が見ている僕は、本当の僕自身ではない。それを知っているのは僕だけ。ただ僕が僕自身でいられた時の思いを心の芯に強く持ち、それを支えに世の中に合わせて振舞い生きている。

 

さて、橙の分はそれを受けて何を語るのでしょうか。

■橙の部分

 不思議のシュラフで運ばれて

言葉の解説をしますと、 「不思議」とは、”どうしてなのかふつうでは考えも想像もできないこと、また、人知の遠く及ばないこと”を意味します。「シュラフ」とは”寝袋”のことです。

 

それに「運ばれて」その先はどうなるのでしょう。

私は、生きる活力を取り戻し、また明日へと運ばれるということではないかと想像しました。

 

シュラフ」から想像される「眠る」という行為は、脳を整理し、身体を整え、精神の回復をも促します。

このことから、この曲の歌詞は、一見退廃的なように思えますが、実は、生きにくい世の中であっても明日を繰り返し生き続けていく、そんな内なる強さを表したものだと感じました。

 

さて、ここで回復する場所を「シュラフ」としたことについて考えたいと思います。

 

一つは、この世の社会を「ダークブルーの世界」と宇宙空間から見た地球の色で表したように”宇宙を漂うイメージを持たせるため”と考えられます。

 

もう一つは、「シュラフ」が眠る際に身体を包むものであることから、”自分が本来の自分に戻れる大きく包まれる場所”の例えだと考えました。

それはどこかと言えば、やはり、”愛する人の「中」”ではないでしょうか。

親が守っていてくれた子供時代が終わり、社会の中で一人生きなくてはならなくなった自分が本来の自分に帰れる場所、それは愛する人のもとである、マサムネさんの歌詞には何度もそのような思いが語られています。

この「シュラフ」も、同じように、愛する人の中に包まれることで、嘘偽りない素顔の自分に戻り、その温かさの中でゆっくりと回復していくことを表わしているように思いました。

どうして回復するのかわからないので「不思議の」シュラフと表現したのかもしれません。

 

「たったひとつの思い出」とは、”子供時代のこと”かもしれませんし、”愛する人の中で回復すること”その行為そのものなのかもしれません。