クリスピー

「クリスピー」は1993年9月に発売された4thアルバム「Crispy!」に収録されました。

作詞・作曲:草野正宗、編曲:笹路正徳スピッツ

笑われたっていいからと クライベイビー恋してた

輝くほどに不細工な モグラのままでいたいけど

クリスピーはもらった クリスピーはもらった

ちょっとチョコレートのクリスピー

「クライベイビー」とは、泣き虫のことですが、ここではジョニー・デップ主演の1991年公開映画「クライ・ベイビー」に由来しているのかもしれません。不良少年クライ・ベイビーが身分違いのお嬢様と惹かれあい恋に落ち、分不相応だと周囲の反対を受けるというアメリカンムービーです。

 

自身は「輝くほどに不細工なモグラ」(でおまけに泣き虫)と、どこまでも格好の悪いイケてない男なので、地中に潜っているのがお似合いで、きっと笑われるだろうけれどそれでも構わない、と、分不相応にも思われる素敵な女性に恋をした喜びを歌います。

 

「クリスピー」とは、パリパリとした爽やかな様を表します。それが「ちょっとチョコレート」ということなので、「爽やかに刺激的で少しほろ苦く甘く」という感じでしょうか。恋の感覚の上手な表現ですね。

最上級のクズよりも シーモンキー眺めてた

閉じこめられたスマイルを 独り占めにはしないでよ

クリスピーはもらった クリスピーはもらった

ちょっとチョコレートの

クリスピーはもらった クリスピーはもらった

もっとチョコレートのクリスピー

シーモンキー」とは不思議な水性生物で、昭和40年代に子供たちの間で大流行しました。そこから、ここでは「人気者」を表していると思われます。「最上級のクズ」とは自身のこと。どうやら彼女の心は、自身ではなく「シーモンキー」である人気者の方にあるようです。

 

そして、君の素敵な笑顔を、「閉じこめないで 独り占めにはしないで」と、惹かれている彼に向けてごらん、気持ちを表現してごらん、と歌います。

 

そして、その結果、「ちょっとチョコレートのクリスピー」よりも「もっとチョコレートのクリスピー」が彼女にもたらされます。

さよなら ありがとう 泣かないで大丈夫さ

初めて君にも春が届いているから

惹かれた彼との恋が実った彼女は、自身の元を去るのですが、「さよなら ありがとう」と恋の喜びを教えてくれた彼女に感謝の気持ちを送ります。

 

「僕が君との出会いによって感じたのと同じように、君にも初めて幸せな恋が届いたことは喜ばしいことだと思っている。だから僕は大丈夫、泣かないで」

 

失恋は悲しいことですが彼女が幸せになるならばそれは自身の幸せでもある。自分を気にすることでその足かせになりたくないという優しい気持ちが溢れています。

笑われたっていいからと クライベイビー恋してた

輝くほどに不細工な モグラのままでいたいけど

クリスピーはもらった クリスピーはもらった

ちょっとチョコレートの

ちょっとカスタードの

ちょっとチェリーソースのクリスピー

チョコレートは甘くほろ苦く、カスタードはどこまでも甘く、チェリーソースは甘酸っぱく、どれも「恋」の感情を表す表現で、重ねて歌うことで、彼女との恋がどれだけ幸せであったかが示され、この曲は終わります。少し苦く、その後はとても甘く、最後には酸っぱさがあると言う、この恋の顛末とも言えるかも知れません。

 

これまでと違い少し大人になった歌詞の登場にドキリとした「Crispy!」の一曲目でした。

クリスピー

クリスピー

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