サンシャイン

「サンシャイン」は1994年9月発売の5thアルバム「空の飛び方」に収録されました。

 作詞・作曲:草野正宗、編曲:笹路正徳スピッツ

困らせたのは 君のこと

なぜかまぶしく思えてさ

すりガラスの窓を あけた時に

よみがえる埃の粒たちを 動かずに見ていたい

感情を抑えきれずに君を困らせたのは、これまで良く知っていると思っていた君から光が溢れまぶしくて直視できないように感じてしまい動揺したからでした。

不透明なすりガラス越しの穏やかな光の中で見ていたものが、その窓が開けられ強い光の元に明瞭な状態で現れた時、これまでそこに在ったのに気づかずにいた舞い上がる埃のように、知らなかったものごとが目の前に広がります。

全てを知っているように思っても実は何も知らなかったということは多くあり、今知った僕がこれまで何でもわかっていると思っていた君の内面に秘められていたものでもあり、そしてそれは、君がこれから新しく見る世界にも存在するように感じられます。

様々なことがらが頭に浮かび、僕はじっとしたままゆっくりと思いを巡らせます。

サンシャイン 白い道はどこまでも続くよ

サンシャイン 寒い都会に降りても

変わらず夏の花のままでいて

「サンシャイン」とは、知らなかった君の心を知りまぶしく感じたことでもあり、また、元々、君を光のような存在として感じていたということも表しているでしょう。

白い道は、雪の降る寒い冬の道で、二人は離れ離れになりお互いに一人で進むということを示しています。

もう僕は君の側にはいられず、君は寒く厳しくともたった一人で進まなくてはなりません。

寒い都会も同じ意味で、君が一人で降り立つ都会は心細く不安で厳しいものであるかもしれない、僕は側にいてあげられないけれども、君には夏の頃の花のように美しく輝く笑顔のままでいて欲しいと願います。

都会は、魅力的ながら巨大で未知な世界の象徴で、素晴らしい期待と共に何が起こるのかわからない怖さに満ちています。

君がそれによる寒さにしおれてしまうこと、輝きをなくしてしまうことを案ずる僕の気持ちが感じられます。

こげた臭いに包まれた

大きなバスで君は行く

許された季節が終わる前に

散らばる思い出を はじめから残らず組み立てたい

こげた臭いから、君の都会に対する熱がとても高いこと、大きなバスから、都会への思いがとても大きく僕にはとても止められないことを表しているようです。

君のことを止められないのならば、二人が一緒にいることが許されている間に、君が行ってしまう前に、二人のこれまでを最初から集めて組み立て直し、お互いの心の中に思い出としてしっかり留めておきたい。

恋を季節に例えると、春に芽生え、夏に盛りを迎え、秋に風が吹き抜け、冬に終わりを迎えます。

もうすぐ冬を迎え、二人の恋の季節が終わってしまう前に、二人でその作業を行い、お互いに思い出を胸にしっかりと留めることで、自分だけではなく、君にも辛いときの力にして欲しいと願っているようです。

それだけしか、君のためにこれから僕ができることはありません。

サンシャイン 白い道はどこまでも続くよ

サンシャイン めぐる風によろけても

変わらず夏の花のままでいて

一人進む君に強く冷たい風は何度も繰り返し吹き、それによりまっすぐに立っていられずによろけてしまうこともあるかもしれません。

そんな風に君を阻むものから辛い目にあわされても、君には僕たちの恋が夏の盛りを迎えていた頃に見せてくれていた、あの花のような美しさを失うことのないようにと願います。

夏の光の中に輝く花のような君のままで、と。

すりガラスの窓を あけた時に

よみがえる埃の粒たちを 動かずに見ていたい

サンシャイン 白い道はどこまでも続くよ

サンシャイン 寒い都会に降りても

変わらず夏の花のままでいて

サンシャイン…

動揺して初めは君を困らせてしまった僕ですが、様々に思いを馳せ考えて、最終的に君の意志を受け入れます。

そして、一人になる君を案じ、何があってもあの頃の素敵な君のままで幸せに過ごせるようにと願います。

恋が終わっても、二人で過ごした日々は変わらずに存在し、思い出を胸にしっかりと留めることで、それぞれの道を力強く進んで行きます。

「サンシャイン」とは二人で過ごした輝かしい日々をも意味するのかもしれません。

恋愛によって経験したことは、その最中だけではなく、終わりを迎えてもなお、お互いの力となります。

そのためには、終わることが告げられた際に、動揺したり混乱したりしながらも、最終的には相手の気持ちを尊重して受け止め認めることが必要になるでしょう。
最後に相手の気持ちを受け止められるためには、前提としてその恋愛がお互いを大切に思い合うものであることが必要で、それは、逆に、お互いを大切に思い合う恋愛が出来るのは、自分ひとりのことを考えていた時代から、恋愛によって他人と深く心を通わせることで他人を尊重することが出来るようにお互いが成長した結果だと言えるのかもしれません。
ひとつの恋愛が終わることはとても辛く悲しいことですが、その辛さを乗り越えられた時、新しく人生を拓いていく力もまた得られるのかもしれません。
サンシャイン

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